Slack: Stripe を使用した支払い処理で、99% の承認率を達成

Slack は、チーム内の連携、タスクの自動化、ファイルの共有・管理に役立つオールインワンのプロダクティビティプラットフォームです。Slack ユーザーは、チャネルベースのメッセージソリューションから毎週 10 億以上のメッセージを送信しています。

使用製品

    Payments
    Elements
    Invoicing
    Sigma
グローバル
大企業

課題

Slack が 2014 年にリリースした人気のメッセージプラットフォームは、現在では多くの職場で広く利用されています。フォーチュン 100 の 75 社を超える企業が Slack Connect を使用しており、アクティブな Slack チャネルの通知音は、多くの知識労働者にとって自社のドアベルよりもなじみのある音になっています。

Slack の経営陣は、決済機能の提供は重要な使命である一方、多くの複雑さを伴うことを創業の初期段階から認識していました。その後数年で事業を急速に拡大し、大企業にサービスを提供するようになると、請求書の管理と新たな決済機能の追加に関して面倒な課題が生じました。

たとえば、請求書を生成する際には手動プロセスに頼っていましたが、時間がかかるうえに、ミスも頻繁に発生していました。また、決済フローをシンプルにし、エラーの発生や、購入完了率と承認率の低下を招く不要な手順を削除する必要がありました。同社はさらに、技術的に手間のかかる作業なしで、新たな決済手段を追加し、新しい決済機能を立ち上げたいと考えていました。

最終的に、Slack は社内の請求システムの応急処置に貴重なリソースを費やすのではなく、開発者がコアコンピタンスに集中できるように、継続的なサポートを得ることにしました。

解決策

Slack は、AWS 上で運営している Stripe と提携することで、他の優先事項を犠牲にすることなく、顧客が必要とする大企業向けの決済体験を構築できると判断しました。最初は Stripe Payments を導入し、ACH とクレジットカードによる支払いへの対応を開始しました。これを契機に、Slack と Stripe は密接な提携を続け、Slack のビジネスの急成長に伴って発生する新たな問題に対応してきました。

Slack にとって最も重要な Stripe プロダクトの 1 つは、Stripe Invoicing です。これを使用することで、自動的に請求書を発行し、入金と関連する請求書を照合できるようになりました。また、Invoicing の導入によって、サブスクリプションのライフサイクルに伴うタスク (新しい請求書の作成、請求書の確定、支払い収集、失敗した支払いに関する顧客へのメール送信、プロセス全体における顧客ステータスの更新) を自動化しました。

より深いデータ洞察、分析、レポートを行うために、Stripe Sigma も実装しました。Sigma を使用することで、取引データの詳細確認、売上指標の追跡、傾向の特定、潜在的な問題への対応を実現しました。

決済フローを簡単でわかりやすいものにするために Slack が使用しているのは、Stripe の決済フローを最適化するプロダクトです。同プロダクトには、コーディングなしで決済手段を新たに追加できる Payment Element のような事前に構築された UI コンポーネントと、顧客の請求情報を自動入力する Address Element が含まれています。このほか、Slack は有効期限が切れたカードの最新情報を自動的に取得して解約率を減らすための自動カード更新機能や、失敗した支払いをリアルタイムで選択的に再試行する Adaptive Acceptance などの Payments 機能も使用しています。

Slack はこれらのツールを使用して決済フォームの不要な行を削除し、ユーザーによるエラーを減らすためにインライン検証を追加しました。また、顧客が自身の支払い情報を保存できるようにボタンも追加しました。こうした取り組みが、顧客体験の向上、購入完了率の引き上げ、承認率の増加に役立っています。

同社は継続的にサポートを受けるために、Stripe のエンタープライズサポートプランを利用することにしました。これにより、Stripe との頻繁なやり取りと緊密な連携が可能になり、進行中の取り組みの追跡、スピーディーな問題解決、月次の戦略セッションへの参加を通じて、長期的な目標を掘り下げることができます。このサポートによって、実装が成功しただけでなく、承認率および現地の決済方法の最適化に関するワークショップや、Slack の決済フローのティアダウンセッションで表面化した問題に対する継続的な改善が実行されました。Stripe はこうしたセッションを通じて、Slack が Stripe との連携から最大の結果を得られるよう支援しています。

Slack 拡大チームのプロダクトマネージャーである Bradley Bortner 氏は、次のように述べています。「Stripe チームによるサポートと、チームとの素晴らしい関係は当社にとって貴重なものであり、変化する状況への素早い対応と Stripe との連携強化を可能にしてくれました。こうした密接な関係が、当社の生産性と革新に役立っています」

結果

請求書の自動化で時間とエラーを削減

Payments と Invoicing の導入によって、Slack の利用者は同社の顧客体験チームに連絡することなく、支払いの自動化を簡単に設定できるようになりました。利用者による Slack の使用量が増加し、支払い金額がクレジットカード決済の上限を超えた場合でも、スムーズに別の決済手段に切り替えることができるため、サービスが中断されることはありません。

支払いと請求書発行のワークフローを自動化したことで、Slack の作業時間は大幅に減少し、手動のプロセスによるエラーの発生も低下しました。

シンプルな決済フローで購入完了率を引き上げ、高い承認率を維持

決済フローを最適化するために Slack が講じた対策により、利用者の負荷が減り、顧客体験が向上し、結果的にスピーディーかつシンプルな決済プロセスが実現しました。自動カード更新機能や Adaptive Acceptance といった Stripe のソリューションは、支払い拒否と支払いに関する問題の削減に役立ちました。また、Payment Element の導入により、新しい決済手段が利用可能になると、その都度素早く追加できるようになりました。こうした決済環境の向上が功を奏し、購入完了率は増加し、アメリカにおける承認率は 99% に達しました。

Stripe エンタープライズサポートの利用で 1 ページの決済体験を導入し、購入完了率の 3.1% アップを実現

Slack による Stripe 導入の成功の鍵を握ったのが、エンタープライズサポートプランでした。同プランを使用することで、Stripe とのやり取りを効率的に行い、問題に迅速に対応し、決済フローをさらに最適化する方法を見い出すためのインサイトを得ることができました。決済のティアダウンセッションから生まれた取り組みの 1 つは、Slack の 2 ページの決済体験を 1 ページに短縮することでした。Payment Element と Address Element を使用して、決済ページを短くしたことで、有料プランへの切り替え率が 3.1% 増加しました。

Slack は今後も Stripe と連携しながら、新しい支払い機能を導入し、決済手段を拡大させ、主要市場と決済手段を優先させることで、拡大と成長を目指します。

シンプルな料金体系

手数料によるわかりやすくシンプルな料金。 初期費用や月額費用の固定費はありません。

簡単に導入開始

わずか 10 分程度で Stripe に登録し利用開始できます