課題
MVLLABS の最高経営責任者兼創業者である Kay Woo 氏は、ライドシェア業界への革新的なビジョンを持っていました。ドライバーへの正当な対価を保証し、手数料がかからないライドシェア業界を築くことを目指すとともに、乗客がサービスに対して支払うための選択肢をもっと充実させたいと考えていました。
Uber がシンガポールのライドシェア市場から撤退したときに、Woo 氏はビジョンを実行に移し、TADA (韓国語で「乗ろうよ」) を立ち上げることにしました。シンガポールで最大限に成長し、将来的な他国への拡大をシンプルにするために、TADA にはあらゆる地域のあらゆる乗客数に対応できるシームレスな決済機能を保証する決済処理ソリューションが必要でした。同社は現地通貨を使用したクレジットカード決済とともに、Apple Pay などのデジタルウォレットを含むその他の決済手段にも簡単に対応することを目指していました。
シンガポールでのライドシェア企業の設立には、地域固有の課題と、そして機会が伴いました。現地のタクシーやライドシェアサービスは、高い不審請求の申請率と低いオーソリ率に直面していたのです。乗客が最良の体験を受けられるようにすることが、実績のあるライドシェア企業への対抗手段になると考えていた TADA は、正当な支払いの支払い成功率を最大限に高める必要がありました。また、不正利用による決済を正しくブロックできるようにして、成長の妨げになる財務リスクの低減につなげる必要もありました。
ソリューション
TADA はいくつかの決済代行業者を比較したうえで、Stripe との提携を決めました。決め手は、TADA が要件を満たすために簡単に拡張し、カスタマイズできる、総合的な決済処理ソリューションが提供されていたことです。
TADA の製品責任者、Kenneth Tay 氏は次のように述べています。「Stripe には、私たちが求める導入スピードと使いやすさが備わっていました。それだけでなく、シンガポールと、当社が進出を目指す、サービスへの規制の厳しい地域を含むグローバル市場での事業運営に必要なサービスと決済関連のライセンスも提供されていました」
わずか 2 週間のうちに、開発者が Stripe Payments を TADA のモバイルアプリに追加した結果、乗客はシンガポールドル (SGD) で処理されるクレジットカードとデビットカードを使用してサービスに対する支払いを行えるようになりました。開発者は Payments の設定も行ったため、事前承認による支払いがスムーズになりました。これにより、乗客は乗車前に想定されるサービス料金を確認できるようになったため、乗客が支払いに十分な資金を持っていることを保証できます。
TADA は不正取引をブロックして、チャージバックを含む不審請求の申請率を削減するために、Stripe Radar を有効にしました。Radar は、Stripe とサードパーティーの銀行で処理された数十億件の決済データから学ぶ機械学習 (ML) を使用して、取引にリスク評価スコアを割り当てます。取引の不正利用のリスクスコアが高い場合、Radar は取引をブロックします。
さらに、銀行単位でのオーソリ率を最大限に高めるため、機械学習でオーソリリクエスト、再試行、経路選定の組み合わせを最適化する Stripe Adaptive Acceptance が採用されました。Adaptive Acceptance は、乗客のクレジットカード情報が変更されると自動的に更新するほか、ネットワークトークンとクレジットカード番号を使用して、変更によって支払い成功率が向上するかを自動的に確認します。
結果
TADA は Stripe Payments でグローバルなビジネス拡大を効率化
2018 年にシンガポールで事業を立ち上げると、TADA は 2019 年にはカンボジアとベトナムに、そして 2024 年にはタイに事業を拡大することができました。今後 3 カ月で、香港でも事業を開始する予定です。乗客は、TADA が運営するすべての国でアカウントプロファイルに保存したカードを使用することができ、シームレスで信頼できるサービスを受けることができます。
Tay 氏は次のように述べています。「Stripe があれば、いつでも最新の状態で利用できるという確信を持つことができます」
TADA は Radar と Adaptive Acceptance を使用して、リスクを軽減し、収益を最大化
TADA は Radar と Adaptive Acceptance を使用して、不正取引をブロックし、正当な支払いが確実に処理されるようにします。
Tay 氏は次のように述べています。「過去 12 カ月間、Radar を使用して 0% の不審請求の申請率を維持しています。Adaptive Acceptance を追加したことでオーソリ率が 2.8% 増加したため、今では全取引の 98% を処理しています」
今後の成長を促進するために、TADA は Stripe Elements を実装し、構築済みの UI ビルディングブロックを使用して乗客の決済操作をカスタマイズすることを目指しています。Elements のノーコードツールを使用すれば、TADA は決済オプションを拡張して、Apple Pay などのデジタルウォレットを追加できます。また、利用者が銀行アプリで QR コードを読み取って支払いできるようにする、タイを拠点とする決済手段の PromptPay を追加することもできます。
Tay 氏は次のように述べています。「新たな地域への展開を視野に入れる中で、Stripe ならスピーディーに拡大するために必要なツールを提供し、より多くの選択肢と操作性を乗客に提供できるよう決済サービスを調整してくれるという確信があります」
Stripe Payments があれば新たな地域にスピーディーに拡大できます。地域への決済機能の導入プロセスには多くの時間がかかるものですが、Stripe なら心配無用です。