課題
Thinkific のプラットフォームは、教育系クリエイターがその熱意を収益に変えられる場を提供しています。現在 5 万人を超えるアクティブなクリエイターが、コースの直接販売で数億ドルの収益を上げ、世界中の数千万人の受講者に講義を行っています。
継続的な売上を得ることで持続可能なビジネスを作り上げようと取り組むクリエイターもいれば、経理や税務など主要なビジネス要件を管理するのに苦労しているクリエイターもいました。自分たちで決済を管理し、税務コンプライアンスなどのバックオフィス業務に対処していたことが、クリエイターの成長を妨げ、講習での教育に最善を尽くすための貴重な時間を奪っていました。
Thinkific は、教育系クリエイターが売上を伸ばし、ビジネスを成長させられるようにサポートするための手段を探していました。同時に、クリエイターに新たな市場で多くの受講者を獲得するチャンスを与えるため、グローバルに拡大したいと考えていました。
ソリューション
Thinkific は 2012 年に初めて Stripe と提携し、教育系クリエイターに対して、成長の加速、決済とバックオフィス業務の自動化、受講者体験の向上に必要なあらゆる機能を提供するプラットフォームの構築に取り組みました。
Thinkific が Stripe を選んだ理由は、他のプロバイダーよりも短期間で導入できるためです。Thinkific コマース担当バイスプレジデントの Peter Fitzpatrick 氏は次のように述べています。「成長速度の速い企業にとって、スピードと即応能力に勝るものはありません。Stripe を利用すると、新機能をすばやく少ない労力で導入できるので、当社は価値を創出しやすくなり、投資を短期間で回収できました」
Thinkific の開発者は、Stripe API を活用してわずか数日または数週間で新機能を導入できるので、Thinkific では長期間にわたってエンジニアリングリソースを基幹製品の業務から離脱させる必要がありません。
エンドツーエンドの財務自動化の構築
Thinkific は Stripe との最初の提携として、Stripe Standard Connect を使用してクリエイターがすぐに決済を受け付けられるようにしました。Stripe API の使用により、即時のアカウント登録からグローバルな入金まで、エンドツーエンドの決済機能を構築して拡大させることができました。Thinkific はその後すぐに Stripe Billing を追加導入し、クリエイターがコースを継続的なサブスクリプションとして販売して、ビジネスの価値を高められるようにしました。現在では、継続的なサブスクリプションは Thinkific Payments の総商品価値 (GMV) の 32% を占めています。
同社は、直接的な SaaS 料金を円滑にするためにも Stripe Billing 製品群を使用しています。決済と財務プラットフォームを 1 つに統合することで、業務の効率と速度が向上し、財務予測、計画、分析などさまざまな業務の実行を加速できるようになりました。
埋め込み型の決済システムで収益を向上
Thinkific は 2021 年、クリエイターの売上アップを支える Thinkific Payments を発表しました。この埋め込み型の決済システムは、Stripe のインフラを基盤に構築され、自社のプラットフォームと連携しています。Thinkific Payments は Smart Retries と Adaptive Acceptance の両機能を使用します。
Thinkific の共同創業者兼 CEO である Greg Smith 氏は次のように述べています。「Thinkific Payments は、コースのクリエイターが売上を伸ばし、教育とビジネスの成長により多くの時間を割けるようにサポートするツールを提供します。当社の目標は、コースのクリエイターが世界に与える影響を拡大できるようにすることです。世界最高レベルの教育環境をオンラインで実現するというクリエイターのビジョンをサポートするには、クリエイターの成長を支えるツールが不可欠です」
Thinkific は埋め込み型の決済システムを提供することで、強力な新しい収益源を創出し、プラットフォームの差別化を図ることができました。プラットフォームは利用者の導入コストを一定に保ちながら、顧客生涯価値を大幅に向上させました。現在では、埋め込み型の決済システムは、同社が利益を上げるための効果的なツールとして機能しています。
Smith 氏は次のように述べています。「これまで経験してきた Thinkific Payments の成長速度は、予測をはるかに超えるものでした。短期間で、収益性の高い重要な収益源へと成長しています」
安全で最適化された決済機能の構築
Thinkific は 2023 年、コンバージョン率を向上できるよう最適化された Stripe の決済製品を複数導入しました。具体的には、Payment Element、決済手段、そして購入者の支払い情報を自動入力する安全なワンクリック決済機能である Link です。Link はリリースから 24 時間以内で、Thinkific の決済の 10% に使用されました。
Thinkific は Payment Element を利用して、Google Pay、Cash App Pay、また受講者や講師がよく利用する後払い (BNPL) の決済手段である Affirm、Afterpay、Klarna といった 10 種類の決済手段を最小限の労力でリリースすることができました。BNPL は柔軟な分割払いで受講者の利便性を高めるだけでなく、クリエイターが全額 (手数料を除く) を事前に受け取ることで、クリエイターのコンバージョン率と平均注文額の増加にも役立ちました。実際、BNPL で行われた Thinkific の取引では、平均注文額がカードを使用した取引より 3 倍以上多くなりました。
さらに、Thinkific Payments がヨーロッパに進出した際には、Bancontact、EPS、Giropay、iDEAL、Przelewy24 といった現地でよく利用される銀行へのリダイレクトをわずか 1 週間でリリースし、コンバージョン率を向上できました。
Fitzpatrick 氏は次のように述べています。「当社は Stripe を活用して、国別にカスタマイズされた現地の決済手段を導入することで、受講者がより速く、よりシンプルに決済を行えるようにしました。追加の実装をせずに、講師と受講者のためにすぐれた体験を簡単に構築することができました」
税務コンプライアンスの自動化によってバックオフィスの業務をシンプルに
Thinkific は、教育系クリエイターが抱えるバックエンドビジネスの複雑さを軽減します。Stripe Connect を使用することで、新規のクリエイターと講師のアカウント登録プロセスをシンプルにできます。Fitzpatrick 氏は次のように述べています。「Stripe のアカウント登録では、国ごとに新しいフォームを作成して維持する必要がなくなるだけでなく、いつでも正しい情報を収集しているという確信が得られます。おかげで、かなりの時間を節約できました」
もう 1 つ、Thinkific がユーザーの日常業務を円滑にしている例が、Stripe Tax を使用した税務コンプライアンスの負担削減です。
Fitzpatrick 氏は次のように述べています。「クリエイターからはいつも税務に苦労しているという声があがっていました。当社のクリエイターは国内だけでなく、世界中でデジタル商品を販売しています。地域ごとに異なる税法に従うことはほぼ不可能で、多くのクリエイターがコンプライアンスに違反して反則金が課せられるリスクを負っています。Stripe Tax を使用すると、取引での税金の計算と徴収を自動化するソリューションを提供できるようになるので、クリエイターは税務にかける時間を減らし、その分ビジネスの成長に時間を割くことができます」
結果
先日 Thinkific Payments の累積取引額が 1 億ドルを超え、そのうち 6,200 万ドル以上が前半の 2 四半期 (2023 年 Q1 と Q2) に処理されました。この結果、Thinkific Payments はインターネット上で提供される埋め込み型の決済システム製品として、最速の成長を遂げた企業の 1 つになりました。
アメリカ、イギリス、カナダで Thinkific を導入する新規クリエイターの約 80% が、Thinkific Payments を最初に導入しています。今後、Thinkific がさらに多くの国に進出し、対応する機能と現地の決済手段が増えると、この割合はさらに高まる見通しです。全世界で見ると、この割合は約 60% となっています。
Fitzpatrick 氏は次のように述べています。「Stripe となら他のパートナーよりも格段に速く計画や目標を達成することが可能です。Stripe を利用することで、新たな市場にすばやく進出し、絶えず変化して高まり続ける顧客ニーズを満たすことができます。別のプラットフォームを利用する場合よりも 2 倍のスピード実現できるものと予想しています」
成長速度の速い企業にとって、スピードと即応能力に勝るものはありません。Stripe を利用すると、新機能をすばやく少ない労力で導入できるので、当社は価値を創出しやすくなり、投資を短期間で回収できました