課題

不動産の短期賃貸は、登場からまだ日が浅いビジネスモデルです。複数の不動産を運用する企業家をターゲットとして、予約の管理や利用客とのやり取りなどに使われる重要で体系的なリソースを提供することは、ビジネスチャンスになると Uplisting は見ていました。あらゆる新規市場と同様に、この分野も発展の最中にあり、Uplisting が目指していたのは、単に顧客の期待に応えることではありませんでした。期待を上回る形で、不動産の管理をいっそう簡単なものにすることです。

このために必要となったのは、社内データベースと Stripe を接続し、顧客データの管理に向けた信頼できる一元的な情報ソースを構築することです。この目的を達成するため、同社が採用していたのがノーコードのワークフロー自動化ツールでした。Uplisting の業務部門責任者である Dan Kavanagh 氏は次のように述べています。「そのツールは申し分のないものでしたが、当社で維持管理する必要がありました。私たちの事業は『試してみて反復する』方式であるため、プロセスの変更が絶え間なく発生します。いくつものレベルで定期的に変更を加えざるを得ない自動化環境を抱えることになり、拡張に対応できていませんでした」Uplisting はすでに多くの業務の支援に Stripe を利用していたことから、Stripe Apps を導入して管理が困難なワークフロー自動化ツールと置き換え、他のソフトウェアソリューションを自社の信頼できる財務情報ソースと連携させる取り組みに着手しました。

解決策

Uplisting は、HubSpot、Rewardful、ProfitWell をはじめとする自社のテクノロジーを Stripe と連携させて、複数のデータベースにわたる顧客アカウントの連結性を改善したいと考えていました。Stripe Apps を導入したところ、連携作業をスピーディーに完了して、新たな環境のテストをただちに開始することができました。「Stripe Apps については、安定していて信頼性が高く、必要な機能を備えていることはわかっていました。あらゆる要素が揃っており、すぐに稼働できる状態でした。HubSpot は数分で稼働できました。ProfitWell は、直接連携して稼働可能な状態にするまで、所要時間は数秒でした。あっという間のことでした」と Kavanagh 氏は振り返っています。

Stripe App Marketplace で提供されている多彩なアプリを活用すると、自社の一連のソフトウェアプラットフォームの連携に必要なツールがひととおり揃いました。この連携作業で最初に対象となったのは、営業をはじめ、サポート、レポートの作成やマーケティングに至るまで、あらゆる要素に関して信頼できる情報ソースである HubSpot でした。HubSpot Data Sync アプリを使用して Stripe Payments を HubSpot に直接連携させると、見積もりから購入の手続きに移ろうとする顧客とのやり取りを円滑に自動化できました。

Rewardful では、Uplisting の既存の顧客がアフィリエイト向け紹介プログラムを利用できるようになります。Rewardful アプリを採用することで、そうした顧客への報酬の提供がさらに簡単になりました。「アフィリエイトが他の人に Uplisting を紹介してくれたときは、手数料を支払います。Rewardful アプリを使用すれば、誰かが紹介リンクをクリックした時点で、その情報が Stripe のメタデータに直接記録されます。次に、Rewardful で手数料が自動計算されます。手動で変更する必要が一切ないのです」と Kavanagh 氏は述べています。

Profitwell Health Scores アプリを利用すると、エンゲージメントのデータに基づいて、解約のおそれがある顧客や追加購入に進む可能性がある顧客について即時のアラートを受け取れます。Uplisting のチームは、このデータを活用して顧客維持率とサポートを改善し、いっそう行き届いた顧客体験の創出を果たしました。顧客との結び付きがさらに高まるシステムによって、顧客の傾向やビジネスチャンスに関するインサイトの質が向上し、社内の管理プロセスが改善されています。

結果

HubSpot Data Sync アプリによって平均で 10 日間かかっていたアカウント登録が 3 日間に短縮

Stripe Apps を使用して HubSpot と連携した後は、顧客のアカウント登録プロセスがスムーズになり、それまで使用していたドキュメント管理ツールを撤廃できました。「HubSpot で出した見積もりなら、より実際の状況に即した営業活動が展開されます。お客様は、どのような物件を借りて期間はどれほどなのか、正確に把握できます。HubSpot は Stripe と直接連携しているため、支払いのプロセスもお客様にストレスを感じさせないものになっています」と Kavanagh 氏は言い添えます。

顧客は HubSpot で契約を直接締結し、賃貸料を支払います。Uplisting は自社の Stripe Connect アカウントを使用して、新規顧客のアカウント登録をかつてないほどスピーディーに完了できています。アカウント登録に要する期間は、大口顧客については 2 日間、管理物件が 1 件または 2 件の顧客については 7 日間短縮されています。HubSpot アプリは、顧客アカウントの契約更新プロセスの時間短縮にも有効です。更新のプロセスで顧客が感じるストレスが低減されているため、顧客維持率が向上し、月間経常収益 (MRR) はわずか 5 週間で 1 万ドルを超えています。

Rewardful アプリの導入で 70 万ドルもの売上を獲得

Uplisting にとって、顧客は口コミの有力な発信源です。また、同社は継続的に顧客と連携し、プラットフォームの改善や新たな市場ニーズへの対応にあたっています。このような協力に報いる手段として、同社が採用したのが Rewardful です。Rewardful アプリを導入する前は、顧客に提供する手数料の計算に最大で 2 日間かかっていました。現在は 1 時間以内に入金を処理できています。

Rewardful と Stripe を直接連携することで、顧客へのこのような支払いの入金を毎四半期ではなく毎月実施することも可能になりました。このような多少のキャッシュフロー増加であっても、中小の事業者にとっては大きな数字です。この追加の支援策を打ち出した結果、Uplisting では、相互連関的な口コミによる紹介の増加や 70 万ドルを超える売上の獲得につながっています。

ProfitWell Health Scores アプリの導入で顧客回復率 81% を達成

独力で成長軌道に乗ろうとするスタートアップでは、たとえ 1 ドルであっても軽視できません。Uplisting が顧客維持率の改善に向けて ProfitWell を導入した理由も、まさにその点でした。サブスクリプションの期限超過や手続き失敗については、Stripe Payments の Adaptive Acceptance ですでに管理していますが、2 回目の決済試行も失敗した場合、ProfitWell で Uplisting の顧客にメールを送信し、支払いが失敗したことを通知しています。これらのワークフローを ProfitWell と接続したところ、Stripe Apps で月間 5,000 ドルに相当する月ぎめのサブスクリプションを維持できています。

Stripe App Marketplace から新たなソリューションを獲得して、スピーディーに規模を拡大

これらの施策の一方で、Stripe Apps で事業目標の達成をさらに促進する方策はないかと模索し続けています。目の前のビジネスニーズに対応し、自社の成長を促せる可能性を秘めた新たなアプリは、Stripe App Marketplace ですでに見つかっています。と Kavanagh 氏は次のように述べています。「キャンセルのフローを改善する新たな手立てを見出したいと考えています。顧客がキャンセルに至る理由については、情報をさほど得られません。このため、Churnkey という Stripe アプリに注目して、事業の分析と改善に向けた新たな方策の発見に取り組んでいます。コーディングできる人材は社内に揃っているものの、必要なソリューションがすでに Stripe App Marketplace で提供されているため、構築する必要がない点も魅力ですね」