Stripe、Recko を買収し、インターネットビジネスにおける決済照合の自動化を支援
- Recko が Stripe の統合製品スイートに加わり、ユーザー企業の成長の最適化と効率的な収益管理を支援
- Recko は、多くの企業において多大な時間がかかっている決済照合の主要ステップを自動化
- Recko の追加により、Stripe のユーザー企業は、財務状況を包括的に把握することが可能に
サンフランシスコ — インターネット向け経済インフラのプラットフォームを構築する Stripe は、インターネットビジネス向けの決済照合ソフトウェアの大手プロバイダーである Recko の買収に関する正式契約締結したことを発表しました。
決済照合(消し込み作業)とは、2 つ以上のレコード (例:社内の販売記録と外部の銀行取引明細書) を比較し、正確であることを確認する会計処理です。財務チームは、矛盾を発見し、不正な会計処理を避け、特定の時点における財務状況を把握するために照合作業を行います。例えば、ある小売業者が 100 ドルのジャケットを販売したとします。その小売業者は、自社のウェブサイトに記録された販売額と、決済代行業者から報告された 100 ドルの決済、そして銀行口座に入金された 99 ドルの入金 (1 ドルの処理手数料を差し引いた額) を照合することでその購入額を確認します。
このように手作業による取引の正確な照合作業は、急成長するオンラインビジネスにとってはさらに複雑になります。月間何千件、何百万件に及ぶ取引すべてに対して、通貨換算、返金、チャージバック、口座入金等の処理を考慮する必要があるためです。Recko は照合の主要なステップを自動化するため、財務チームは面倒で時間のかかるプロセスから解放されます。
Stripe の最高プロダクト責任者であるウィル・ゲイブリックは次のように述べています。「決済照合作業は、企業の成長に伴ってより複雑になることから、高度に自動化された簡単なプロセスであるべきです。Stripe は、サブスクリプションや請求処理から収益認識、帳簿管理まで、収益管理を効率化するためのサポートを世界中の数百万社もの企業に提供しています。Recko の買収により、ユーザーは会社全体の財務状況状況を把握する上で重要な情報である決済照合を自動化できるようになります」
__ Recko が複雑な決済照合を解決する仕組み__
Stripe の収益プラットフォームに新たに加わった Recko は、以下の方法で従来の障壁を取り除き、シームレスな決済照合を実現します。
- 財務システムや Stripe 以外の決済代行業者からの取引データの収集を自動化します。電子メールに保存された Excel や CSV の添付ファイルのデータも対象となります。
- わずか数回のクリックで、数千件もの個別取引を正確に照合します。これにより、財務チームは手作業での照合(例:一括入金と個別売上の組み合わせの特定)にかけていた時間を大幅に削減できます。
- 財務記録に同時に表示されない可能性がある通貨の違い、手数料、返金、チャージバックの会計処理を行います。
- 潜在的なミスや不一致を報告する週次、月次、四半期毎の照合レポートを作成できます。
- 社内で財務の健全性を把握するために使用しているサードパーティのツールやプラットフォームに照合レポートをエクスポートします。
Recko の買収は、決済処理の枠を超えて事業を拡大している Stripe にとって最新のマイルストーンです。Stripe は、Stripe Revenue Recognition (収益認識)、Stripe Billing、Stripe Invoicing 等のツールに加えて、収益を管理・拡大させるための新たなツールを数百万社ものユーザーに提供できるようになります。
Recko の CEO 兼共同創業者であるサウリャ・プラカーシュ・シンハ氏は次のように述べています。「Stripe に加わることは、Recko の新たなページの幕開けとして理想的です。照合の複雑さに起因する負担を取り除いて、インターネットの GDP を拡大するためのサポートを提供できることを嬉しく思います。インターネットビジネスは、成長に合わせて拡張していくことが可能で、財務状況を正確に把握するために必要な作業を自動化できる新たなたな財務ツールを必要としています」
インドのバンガロールを拠点とする Recko は 2017 年の創業以来、成長を続けてきました。現在、Deliveroo、Meesho、PharmEasy 等の大手インターネットビジネスが Recko を利用しています。Recko のチームは Stripe のリモートエンジニアリングハブに加わり、Stripe 製品の構築とグローバル展開をサポートします。本買収は、データローカリティアーキテクチャの更新や現地での急ピッチでの人材採用等、Stripe がインドへの投資を拡大する中で実施されました。
本買収は、慣習的な買収完了条件を前提としています。Recko の既存顧客は、引き続き同社製品を直接利用できます。