Stripe が Stripe Treasury をリリース、プラットフォームパートナー向け金融サービスを大幅に拡張
- プラットフォームは Stripe を導入することで、金融サービスを組み込むことができ、ビジネス顧客が、資金の送受金、保管を簡単に行うことができます。
- Shopify が Stripe との提携を拡大、独立系のビジネスや起業家専用に構築されるビジネス用アカウント「Shopify Balance」の提供を実現しました。
- Stripe が銀行パートナーネットワークを拡大し、Goldman Sachs Bank USA と Evolve Bank & Trust をアメリカ国内パートナーとして迎えました。これにより、API 経由でバンキング機能へのアクセスを標準化できました。
- Stripe は、Citibank N.A. と Barclays をグローバル展開パートナーとした銀行パートナーネットワークの開拓も進めています。
サンフランシスコ発 — インターネット向け経済インフラストラクチャーを構築するテクノロジーカンパニーである Stripe は、本日、Stripe Treasury の提供を開始すると発表しました。この提供開始により、Stripe のプラットフォームユーザーは、金融サービスを組み込むための強力な API を使用でき、顧客は資金の送受金、保管を簡単に行うことができます。
Shopify は、Stripe および Evolve Bank & Trust と提携して、「Shopify Balance」を構築しました。これは、加盟店自体が効果的に財務を管理できるように設計されたビジネス用アカウントです。Stripe のプラットフォームパートナーにとって、Stripe Treasury は 飛躍的な進歩を遂げた製品であり、ユーザーに提供するサポートのレベルを極限まで大幅に拡張できるようになりました。Stripe は自社の資金インフラへの大規模な投資を続けており、来年にはアメリカにおいて、Goldman Sachs との新たなパートナーシップをさらに強化し、Stripe Treasury にさらに多くの機能を追加する予定です。
Stripe はアメリカ国内のプラットフォームに向けた BaaS (Banking-as-a-Service) ソフトウェアの提供を開始
今日のビジネスが金融サービスを利用するには、通常、官僚主義的でたらい回しのような一連の手続きと、長期にわたる申請プロセスを伴います。Stripe による最近の調査* によれば、銀行口座の開設には平均 5 日半 (オンラインビジネスの場合は平均 7 日) かかり、企業全体の約 4 分の 1 (23%) が口座開設のためにファックスを送信しなければならず、また半数を超える (55%) の企業が銀行口座開設のために直接支店を訪れる必要があることがわかっています。金融サービスは現代のインターネット向けに設計されたものではないという理由だけで、今日のビジネスにとって頭の痛い問題となっています。約半数 (46%) の企業が、銀行サービスのせいで会社の成長が阻害されたと報告しているのです。
このようなオフラインのバンキング体験は、76% の企業が業界固有のソフトウェアプラットフォームでビジネスを管理し、従業員が 500 人を超えるビジネスではこの数字が 92% に跳ね上がる世界においては、ますます不条理なものとなっています。Stripe ユーザーの皆様からは、自社業務の基幹となっているソフトウェアプラットフォーム内で直接利用できる金融サービスのためのデジタルソリューションを希望しているとのご意見をいただいています。その一方で、Stripe プラットフォームのユーザーの皆様が金融サービスの自社製品への組み込みを希望される割合が増えているものの、多くの場合、それを困難にする障壁に直面しています。
Stripe Treasury は、こうした障壁をある程度取り除き、Shopify のようなプラットフォームが、ビジネスの財務管理に欠かせない財務会計製品へのアクセスを加盟店に簡単に提供できるようにします。プラットフォームは Stripe Treasury を利用することで、Evolve Bank & Trust が提供する FDIC 保険に加入できる利息付き口座を数分以内にユーザーに提供できます。プラットフォームのビジネス顧客は、Stripe を通じて得た売上にほぼ瞬時にアクセスでき、これを専用カードで残高から直接使ったり、ACH や電信送金で送金したり、請求書の金額を支払うことなどができます。
「オンラインビジネスの運営に関するあらゆる側面がテクノロジーによって変化してきましたが、ビジネスバンキングについては、その大部分が取り残されたままになっています。しかし当社は、10 年前に決済の仕組みを変えようと動き出したときと同じように、この状況を変革しようとしています。ユーザー中心のバンキング体験を提供することは、仮想サーバーを立ち上げるのと同じくらい簡単であるべきです。Stripe はこの変革を、銀行パートナーネットワークを活用して達成しつつあります」 (Stripe バンキング・金融商品部門責任者、Karim Temsamani)
「Stripe と Goldman Sachs は共に、インターネットビジネスがバンキング業務を行う上で感じるフラストレーションの解消を重視しています。Stripe のエコシステムを利用している数百万もの意欲的な急成長ビジネスは、近々、劇的に改善されたエンドツーエンドのデジタルバンキングに出会うことになるでしょう」 (Goldman Sachs トランザクションバンキング部門グローバル責任者、Hari Moorthy 氏)
Shopify は Stripe と連携して顧客自身による財務管理を可能に
Stripe は Shopify との提携を拡大し、Evolve Bank & Trust が提供する Shopify Balance Account と Shopify Balance Card のサービスを支えています。そのため、Shopify を利用する独立系のビジネスや起業家は、すべての財務を一元的に管理でき、またキャッシュフローとビジネス支出を管理するツールが提供されるため、成長を加速させることができます。
「Shopify では、起業への障壁を減らすことに力を入れています。その取り組みの一環として、まもなく Shopify Balance の提供を開始し、加盟店が財務を自分で管理できるようにしていきます。私たちは、Stripe との提携を通じて、加盟店のビジネスの財務ニーズに特化して設計した、バンキング業務に不可欠な金融ツールと製品を提供できることを嬉しく思います」* (Shopify バンキング担当シニアプロダクトリード、Tui Allen 氏)
Stripe は銀行パートナーネットワークを拡大
Stripe はすでに 50 以上の金融機関と提携し、数千以上の金融機関と取引しながら、世界中の数百万社ものビジネスの数千億ドルの資金を安全に動かしています。Stripe が貢献しているこのようなビジネスには、Salesforce や Zoom Video Communications などのエンタープライズから、スタートアップ企業や、事業に乗り出したばかりの起業家までが含まれます。
Stripe は、API を通じて銀行パートナーネットワークのグローバルバンキング機能へのアクセスの標準化を実現しています。このような銀行パートナーネットワークには、現時点で、アメリカ国内パートナーの Goldman Sachs Bank USA、Evolve Bank & Trust、さらにグローバル展開パートナーの Citibank N.A と Barclays が含まれています。また、Stripe を通じて、これらの銀行は数百万社ものビジネスに取引機会を拡大できるようになりました。
「Citi Virtual Account を活用し、Citi が誇る他に例がないグローバル展開において、一貫性と拡張性のあるユビキタスな決済ソリューションを提供する Stripe と提携できることを、喜んでいます。当行が目指すのは、この提携を通じて、Stripe が顧客に向けて次世代バンキングの提案を始められるようにし、グローバルコマースを活性化することです」 (Citi の Treasury & Trade Solutions の決済・債権部門グローバル責任者、Manish Kohli 氏)
*アメリカの中小企業 1,000 社を対象に Savanta 社と共同で実施したビジネスバンキング体験に関するアンケート調査