Fender は Stripe Billing 移行ツールキットを使用して、3 時間で 7 万ものサブスクリプション登録者を移行しました。

世界最大手のギター製作企業である Fender は、70 年以上にわたりギターの製作に携わっています。同社は 2017 年の夏に熟練した講師陣によるビデオレッスンを提供するオンライン学習ツール、Fender Play® の提供を開始しました。現在、初めてギターを購入したばかりの入門者から技術の向上を目指すベテランの演奏者まで、Fender Play® のサブスクリプション登録者は 25 万人にのぼっています。

使用製品

    Billing
北アメリカ
大企業

課題

Fender はギター設計の技術を革新したことで、ギターメーカーとして世界トップの知名度と人気を獲得しました。得意顧客をさらに増やすために開始したのが、Fender Play® オンラインギターレッスンのサービスでした。ギター購入者は、演奏スキルを上げるために有料の月次サブスクリプションに登録することができるため、結果として、将来的に他の Fender® 製品を購入する可能性が高まります。

同社は数年間にわたってサービスを拡充させてきましたが、当時採用していた請求プロバイダーが果たして適切なのかという疑問を抱くようになりました。Fender Play® 自体による収益は大きくないため、プロバイダーから請求される高額な定額料金が、サービスの低い利益率を圧迫していました。さらに、顧客が別のプランへの切り替えを希望しても、サブスクリプションの変更に容易に対応できないという問題に直面していました。

こうした理由から、同社は新しい請求プロバイダーを探し始め、最有力候補となったのが、ウェブサイトでのクレジットカード決済処理に利用していた Stripe でした。しかし、Fender は既存の請求システムからの移行に不安を抱き、社内チームが移行に費やす時間を最小限に抑えながら、すべての顧客データを正確に移管できるかを懸念してました。

同社のプラットフォームエンジニアの責任者である Michael Garski 氏は、次のように述べています。「移行を迅速かつ確実に実行するだけでなく、顧客に悪影響が及ぶような事態も避けなければなりませんでした」

解決策

Fender は 2023 年、新規の Fender Play® 顧客を対象としたサブスクリプションの処理に、Stripe Billing の使用を開始しました。Billing では、サブスクリプションごとに手数料を請求する料金体系を採用しているため、費用を節約するだけでなく、顧客体験も向上させることができました。しかし、同社の希望は、既存のサブスクリプションと新規のサブスクリプションの両方を Billing に統合して、利用者のデータを一元管理し、サービス利用者向けのインターフェイスをシンプルにすることでした。そのためには、既存の利用者のデータを以前の請求プラットフォームから Stripe に移行する必要がありました。

これを実行するにあたり、Fender は Stripe の Billing 移行ツールキットを採用しました。このセルフサービス式ダッシュボードを利用すると、ユーザーは .csv テンプレートを使用してサブスクリプションのアップロード、検証、移行を実行できるため、安全かつスピーディーに、シンプルな方法でデータを移行することが可能です。円滑な移行に備えて、Fender のチームは Garski 氏の指揮のもと、顧客とサブスクリプションのデータをエクスポートしました。同時に、製品カタログを Stripe で作り直すことで、以前のプロバイダーのサブスクリプション価格やプロモーションを正確に反映させることができました。

次に、チームは Stripe のプロフェッショナルサービスチームと協力して、2 つのシステムの整合性を図るためにデータを Stripe .csv テンプレートに変換しました。Billing 移行ツールキットは、ビジネスのニーズやサブスクリプションのタイプに合わせて複数の .csv テンプレートを用意しているため、Fender は自社に最適なテンプレートを使用することができました。あとは、既存のサブスクリプション登録者の全データが記録された移行互換型の .csv ファイルを Billing 移行ツールキットにアップロードするだけで作業は完了しました。

全データのアップロードが完了すると、移行ツールキットのデータ自動検証機能を使用して、.csv のすべての値が正しいか確認するためのフィールドレベルの検証、移行されたフィールドがサブスクリプションの作成に準拠しているか確認するための条件付き検証、請求日が正しいことを確認するための日付検証を実行できます。さらに、プロフェッショナルサービスチームが、さまざまな種類のサブスクリプションの代表サンプルを使用して、別の方法で検証テストを行います。

移行が完了すると、Fender は以前の請求システムで管理されていたサブスクリプションをキャンセルし、すべての顧客の処理を Billing に切り替えました。

結果

顧客サービスの効率化

Stripe Billing のサブスクリプションスケジュール機能を使用することで、Fender は顧客によるサブスクリプションプランの変更にも柔軟に対応できるようになりました。

わずか 3 時間で 7 万件のサブスクリプションを移行

データ・ディクショナリーの作成後、Fender は .csv の作成、移行、サブスクリプション登録者のデータ検証を含め、すべての移行作業を 3 時間で完了させることができました。

Garski 氏は次のように述べています。「Stripe Billing 移行ツールキットがなければ、サブスクリプション登録者を個別に移行するプロセスを考えなければならず、作業時間は数週間に及んだでしょう」

データ移行によるエラーはほぼゼロで、顧客情報の損失もなし

Stripe の .csv テンプレートと自動移行機能、データ検証システムを活用することで、顧客に悪影響を及ぼすことなく移行を完了させるという目標を達成することができました。Fender は決済処理に以前から Stripe を使用していたので、移行後も高いオーソリ率を維持しています。

シンプルな料金体系

手数料によるわかりやすくシンプルな料金。 初期費用や月額費用の固定費はありません。

簡単に導入開始

わずか 10 分程度で Stripe に登録し利用開始できます