課題
借り手に十分な支払い能力があるかどうかを審査するにあたって、不動産管理会社では入居申込者から得た情報が正確で信頼できるものだと確認する必要があります。賃貸契約プロセスの改善を目指している Findigs では、借り手と管理業者の両者にとって信頼できる、スピーディーで安全な入居審査プロセスを提供したいと考えていました。
不動産管理業者が自信を持ってスピーディーな意思決定ができるようにするため、Findigs は収入源やキャッシュフローなど借り手の財務状況を総合的に把握でき、さらに身元を確認できる包括的な手段を提供する必要がありました。
通常、借り手は申し込み手続きをいったん中断して、自分の銀行口座にログインし、財務状況が分かるデータをすべてダウンロードしてから、申し込み用プラットフォームにデータを手動でアップロードしなければなりません。Findigs はこうした申し込みプロセスを効率化し、手間をできる限り減らしたいと考えていました。
合わせて、オーナーと借り手の双方が安心してプラットフォームを利用できるように、また安全性と正確性の面でも納得してもらえるようにして、ユーザーからの信頼を得ることが Findigs の最優先事項でした。
解決策
Findigs は創業当初から Stripe を導入しています。まず、Stripe Checkout を導入して決済の受け付けに使用しました。Stripe には信頼できるパートナーとしての実績があります。入居申込者の賃料支払い履歴や収入を確認し、賃貸契約プロセスをスピーディーで安全性の高いものにしたいという Findigs のニーズの解決に Stripe は最適なものでした。
また、Findigs は Stripe Financial Connections を利用して借り手の金融口座とのシームレスな連携を実現しています。借り手は申し込み手続きの最中に自分の金融口座を関連付け、必要なデータへのアクセス権限を許可するだけで済みます。
Findigs は、Stripe システムを一度導入し、認証フローを埋め込むだけで、Financial Connections を利用して銀行口座の所有権を確かめたり、支払い能力があることを残高から確認したり、借り手のキャッシュフローや収入に関するデータを取得したりといったことができるようになりました。このすべてを広範な金融機関から得ることができるのです。
借り手は住宅を探すにあたって機密情報を Findigs のプラットフォームに託すことになります。そのため、同社はプライバシー面での信頼性が高く、知名度のあるパートナーを求めていました。
Findigs で財務兼事業開発担当ディレクターを務める Sebastian Hart 氏は次のように述べています。「個人の財務データへのアクセスを許可してもらうには、信頼性の高さが重要です。Stripe のような消費者の認知度が高いブランドと連携することで、借り手は情報が安全に保護されると分かり、安心して情報共有できます」
結果
借り手が安心して財務データを共有できる環境を作ることで、Findigs は収入の把握と本人確認のプロセスを効率化でき、不正使用を削減できました。また、ホテルの予約と同じくらいすばやく簡単に賃貸契約できるリスク評価エンジンも強化されています。
口座確認率が 14% 増加、月々 10 万件以上の口座連携を実現
Financial Connections の実装後、銀行情報の確認プロセスを完了させる人が 14% も増加しました。その結果、毎月 10 万件以上の口座との関連付けが行われています。Findigs はこの増加を、簡単で安心感のある銀行口座との関連付けプロセスを体験した入居申込者が、情報の収集方法と透明性のある利用方法に対して信頼を寄せた結果だと見ています。
Hart 氏は次のように述べています「私たちが目指しているのは、すべてが一体となって舞台裏で行われているような、魔法みたいな顧客体験を創造することです。このことこそがリスクを評価するうえで当社が望んでいたことです。Stripe を導入したことで、こうした顧客体験を実現できました」
90% 以上のアメリカの銀行口座と連携し、財務面の包括性を実現
勤務先が 1 つで、そこから月々の給与を得ている人であれば、収入の確認プロセスはシンプルです。しかし、フリーランサーやギグワーカーのような複数の収入源がある人の場合、このプロセスは複雑化します。Financial Connections を利用することで、Findigs のプラットフォームは入居希望者の収入状況を簡単かつ網羅的に把握でき、賃料の支払い能力があるかどうかを査定しています。90% 以上のアメリカの銀行の口座に瞬時に接続して確認し、ユーザーの依頼に従い、信頼できる方法でデータを取得しています。Findigs がリスク評価できる人は増え、借り手の裾野は広がりました。こうしたシンプルな方法によって収入源に関わらず多様な人々が利用できる環境を整備し、住宅を借りやすくしています。
所要時間を数百時間も短縮
手作業で入居申込者の銀行口座明細から収入を確認する場合と比べて、リアルタイムで銀行口座情報に確実にアクセスできるようになったことで、Findigs のサポートチームとリスク評価チームは毎月数百時間の作業を省力化しています。これにより、中核事業であるリスク評価業務の改善にさらに専念できるようになりました。
当社のビジネスでは、正確な銀行口座データをシームレスかつ安全にすばやく取得できることが非常に重要です。Stripe を導入したことで、確認完了率が 14% 向上し、利用者にさらに優れた価値を提供できるようになりました。