課題
株式会社IRIAMは、スマートフォン向けアプリ『IRIAM』を運営しています。『IRIAM』は、いつでも・どこでも手軽にキャラクターになってライブ配信を行ったり、リスナー(視聴者)としてコミュニケーションを楽しむことができるサービスです。キャラクターモデリング等の複雑な作業の必要なく、1枚のイラストだけで簡単にVtuberのようにキャラになってライブ配信を行うことができます。
表情が変化したり、身振りをするようなキャラクターを作成するには、モデリング等の専門的かつ複雑な作業が必要です。しかしIRIAMは、一枚のイラストさえあれば誰でも簡単に"Vtuber"を体験できる環境を創造しました。
2018年にスタートした同社のサービスは成長を続けており、2023年6月には配信者数が累計15万人を超えるなど、幅広く人気を集めるに至っています。
IRIAMがこのように事業を拡大していくためには、ウェブ上での決済手段の拡充が不可欠でした。ユーザーにより便利で、メリットのある決済体験を提供するために、IRIAMが選択したのは、Stripeの決済ソリューションでした。
ソリューション
IRIAMの代表取締役社長 増田真也氏とプロダクトマネージャー 犬塚佳樹氏は、「決済手数料」「決済手段」「不正決済対策」「プロダクトのUI/UX」「グローバル対応」という5つの観点で、決済ソリューションの選定を実施したと言います。
「決め手の一つは『決済手段のサポート範囲』です。IRIAMのユーザーさんや日本の決済市場でのシェアを考えたときに、コンビニ決済はとても重要でした。そして、まさに決裁ソリューションの検討中という絶好のタイミングで、Stripeがコンビニ決済機能をリリースしてくれました」(犬塚氏)
「そして不正利用対策も重要視したポイントでした。カードの不正利用が増える中、決済サービスを提供する事業者が、不正検知のソリューションも統合された形でプラットフォームとして開発・提供しているかを重要視しました。Stripe は3Dセキュアへの対応はもちろん、膨大な決済データをベースにした機械学習による独自の検知ロジックと、不正防止機能を統合された体験としてUIに落とし込まれています。非常に使い勝手がよく、追加開発が一切必要なく高いレベルのセキュリティソリューションを受けられることに満足しています」
決済プラットフォームプロダクトとしてのUI/UXについても、犬塚氏は次のように評価します。
「ダッシュボード上に不正検知状況やその後の対応手続きまで用意されているため、 特別な対応をする必要は無く、事業者の負担減に配慮したUIでした。もちろん事業社側だけでなく、IRIAMのユーザーさんにとっても極めて快適な決済UIとなっています」(犬塚氏)
Stripe の営業や技術コンサルタントとのコミュニケーションを通じて、Stripeがエンジニアフレンドリーなプロダクトであること、開発者向けのドキュメントが充実していること、技術的な質問に対しても迅速に回答が来るサポートが用意されていることなどは周知の事実でした。
契約締結を経てIRIAMは、ウェブページに埋め込むことができる、カスタマイズ可能なUIコンポーネント”Stripe Elements”の構築に着手します。プロダクト開発に4ヶ月、そしてテストに1ヶ月。わずか半年足らずの期間で、コンビニ決済にも対応したIRIAMのWebサービスの提供を開始しました。
結果
IRIAMが2022年9月にウェブ決済の提供を開始してから約1年。2023年10月の売上は昨年対比で2.4倍と、飛躍的に向上しています。現在、コンビニ決済は決済全体の約20%を占めており、特にカード決済を好まない方や10-20代のユーザーさんに向けた決済手段として機能しています。
「コンビニ決済のユーザーさんは1回あたりの平均決済金額がカード決済比で約2倍となっており、『一度にまとまった購入を選ぶ』ということも改めて分かりました。」(犬塚氏)
またサービスが大きく成長を続ける中、1年が経過しても、決済システムに不具合は生じていません。Stripeは安定的な基盤としての役割をしっかりと果たしていると犬塚氏は語ります。今後展開を検討しているグローバル展開においても、Stripeは欠かせないパートナーであると増田氏は語ります。
「Vtuberは、マンガ・アニメと同じく日本のポップカルチャーとして全世界に浸透しつつあります。スマホひとつで簡単にVtuberとしての新感覚を体験できる『IRIAM』は、日本にとどまらず世界でも受け入れられると考えています。将来のグローバル展開を見据えたとき、さまざまな国や地域の決済手段に対応するStripeは頼もしい存在です」(増田氏)
海外に事業を展開する際には、決済手段の違いだけではなく、不正決済対策や税金計上など、さまざまな点に注意しなければなりません。グローバルにソリューションを提供するStripeは、今後もIRIAMの成長を支え続けていきます。
Stripeはまさに決済”プラットフォーム”です。UI/UXの磨き込み、安定性、洗練されたダッシュボードの使い心地、充実したドキュメントやサポートによる高い開発者体験、信頼できるセキュリティソリューションといった総合的な機能群を活用して、IRIAMでは安定した決済体験を伴うサービスをすばやく立ち上げることができました。