課題

Karta が Stripe Payment Element を導入して Special を立ち上げたとき、リスク、信頼性、安全性の各チームではデジタルギフトカードが不正行為者にとって実入りの大きなターゲットとなり、信頼性の高い同ブランドに悪影響を与える可能性を認識していました。そのため、Karta は顧客体験への影響をほとんど感じさせないリスク軽減プロセスをシームレスに導入する必要がありました。

ソリューション

Stripe プロフェッショナルサービスは Special と連携し、12 週間にわたり支払いの不正使用に関する戦略アドバイザリーサービスを提供して、信頼性および安全性プロセスの構築と改良を行いました。Special はタイムラインを延長してプロジェクトのフェーズごとに監視期間を設ける選択をして、実施される操作に基づいて実際のデータポイントに対するリスクの傾向を調整しました。

脅威のモデリングとユーザーペルソナの構築

Stripe によるアプローチでは、まず Special の個々のリスクエクスポージャーを分析し、それぞれのリスクの傾向を判断するために脅威のモデリングが行われました。これに続き、チームは長期的な購入者の行動と季節性に基づいてユーザーのペルソナを作成し、リスクの発生可能性と影響のマトリックスを作成して、リスクが生じる可能性のある操作のリストに優先的に対処しました。

たとえば、Special は手動による Stripe Radar for Teams のレビュープロセスを確立し、より細部まで介入を制御しました。介入には、手動レビュー、3DS、追加のデータ検証などを含めることができます。作業が進むにつれて、Radar の支払いレベルのリスク評価にユーザーの信頼度スコアを追加で構築することで、当初のユーザーのペルソナが調整されました。

全体的なチャージバックの削減

チャージバックは、商品が届いていない場合によく発生します。そのため、直接的なデジタル配信となるデジタルウォレットでは、物品に比べてチャージバック件数が少なくなります。ただし、デジタルギフトカードでは匿名による資金の移動が可能になるため、不正使用のターゲットになる可能性は高くなります。

この脅威のため、Special は不正行為によって発生するチャージバックを排除するための戦略に注力することを望んでいました。顧客が行う一連の操作の全体にわたって適切な場所に対策を追加することは、不正行為者を妨げるためには不可欠です。チャージバックの蓋然性と、それによって生じる購入前および購入後のリスク要因に集中することにより、Special はチャージバックを大幅に削減できました。

Stripe プロフェッショナルサービスは Special のエンジニアリングチームと直接連携し、決済機能を改善して、操作をできる限りスムーズにしました。これにより Special の信頼性と安全性チームに余裕を与え、より多くの時間を予防措置にかけられるようになりました。

結果

Special が立ち上げ後すぐに強力な信頼性および安全性プロセスを確立したことが、最終顧客からの肯定的な評価につながり、ブランドのビジョン、満足度の実現に役立ちました。不正使用と一般的な理由による不審請求の申請レベルを 0.1% 未満に抑えた Special は、不正取引のおそれによるカード発行会社の支払い拒否を実質的にゼロにし、その結果オーソリ率は 9% 向上しました。現在、Special の不正使用率は業界平均より大幅に抑えられ、カードモニタリングプログラムの不審請求の申請と不正使用に関するしきい値を大きく下回っています。これにより、Special は不正防止のみに集中的に対応するのではなく、販売イベントやプロモーションを試す柔軟性と信頼を得ることができました。