課題
2015 年、Passenger は公共交通サービスの向上を目的とする総合的なデジタルプラットフォームの立ち上げに向けて準備していました。革新的なソフトウェアで市場にスピーディーに参入するためには、最小限の手間で公共交通運営者の取引を処理できるペイメントプロバイダーが必要でした。
「当社の要件は主に、運営者の代わりに支払いを受け付けること、それも、資金に直接触れることなく、この処理を行うことでした」と、Passenger の主席エンジニアの Andy Leon 氏は話します。
顧客体験を高めるように設計された Passenger プラットフォームが必要としていたのは、取引管理、入金スケジュール、返金、責任の問題の複雑さを軽減すること。また、決済ソリューションには、スムーズで負担を感じさせないユーザー体験を提供することで、購入完了率を最大限に高めることも求めていました。結果として、Passenger が選んだのは Stripe です。Stripe Connect を利用することで、総合的な決済機能を備えたモバイル発券プラットフォームのスピーディーな立ち上げを実現しました。
その後、Passenger はサブスクリプションの提供と継続支払いへの対応のための手段の必要性を認識。実装が簡単で、改定された決済サービス指令 (PSD2) や強力な顧客認証 (SCA) などの法令遵守の問題に対処できるソリューションが必要になりました。
Passenger が求めていたのは、決済手段の違いを超えて全体としてスムーズなユーザー体験を提供すること。特に、ヨーロッパへの展開を視野に入れていたため、より使いやすい決済オプションとして Google Pay や Apple Pay を提供したいと考えていました。拡大する市場の多様なニーズに応えるために、新しい決済手段を簡単に統合できる柔軟な決済システムが必要でした。
解決策
Stripe Connect とその構築済みのシンプルなアカウント登録フローは、一度の導入で複数の公共交通運営者の決済を可能にしました。各支払いは、Passenger とその利用者である運営者に適切に分配されます。Passenger の作業負荷は軽減され、1 カ所でシステム全体を監視できるようになりました。Connect によってシンプルなアカウント登録も提供され、利用者は Passenger のプラットフォームですぐに収益を上げることができるようになりました。
Passenger は Stripe Billing を実装。継続支払いの管理に対応することで、乗客が月額払いで交通チケットを購入できるようにしました。Billing は、SCA が必要な支払いを特定し、必要に応じて追加の認証手段として 3D セキュアを利用することで、法令遵守の手続きもシンプルにしました。
「リアルタイム発券アプリを提供し、急に旅に出る必要が生じた場合にすぐにチケットを受け取れるようにしました。Billing を利用すると非同期的に取引を処理できるため、入金の即時確認が可能です。急な旅行のためのソリューションを提供する上で、これは必須です」と、Leon 氏。
Passenger は当初、Connect を使ってエンドユーザーである旅行者に簡単な決済手段を提供してきましたが、今後は、Stripe の 最適化された決済プロダクト (OCS) を利用する予定です。安全で埋め込み可能な UI コンポーネントを使って世界中の決済手段の中から最も関連性が高いものを表示する Payment Element も OCS の一部です。Payment Element を利用すると、ボタンをクリックするだけで、新たな決済手段を追加することができます。
結果
Passenger は 170% の売上増を実現
Connect を利用して決済プロセスを効率化することで、Passenger はよりスムーズなユーザー体験と購入完了率向上を実現。この効率化の結果、売上を大きく伸ばすことができた上に、 本来のビジネスに集中することもできました。決済、返金、資金の処理、アカウント登録、本人認証 (KYC) の対応を Stripe に委ねたため、Passenger はプラットフォームの立ち上げと市場への参入をスピーディーに実現することができました。
Passenger の製品・設計担当取締役である Greg Hepworth 氏は次のように話しています。「他のペイメントプロバイダーを選んでいたら、市場化にはもっと時間がかかったでしょう。Stripe だったから、『決済を受け付ける必要がある』と伝えるだけで済んだのです。開発者は 1 名だけ。それでもスピーディーに進めることができました。プラットフォーム全体の開発をこんなに効率よく進めることができるのは非常に珍しく、当社に取って大きなプラスとなりました」
Connect によって利用者がすぐに収益化可能に
Connect によってアカウント登録をすぐに行えるようになったため、Passenger のユーザーは自社でカスタムソリューションを構築しなくても収益化をスピーディーに実現できました。取引は自動的に配分され、Passenger は手間をかけずにシステムの状況を確認でき、ビジネスの他の部分に集中することができます。
「Stripe のおかげで、当社が最も得意とする分野に集中することができました。Connect が決済を処理してくれるので、当社のビジネスの成長に最も効果的なやり方で集中できます」(Hepworth 氏)
柔軟なサブスクリプションオプションが収益を促進
Billing を利用することで、Passenger を利用する公共交通運営者は乗客から簡単に運賃を徴収し、より多くの収益を上げることが可能に。Passenger のエンジニアリングチームは、このために特別な作業を行う必要はありません。Passenger は Connect と Billing を利用して、シンプルな決済フロー体験、自動化されたサブスクリプション、さらには段階制料金や割引などのオプションを提供しています。これらのソリューションが一緒に機能することで、Passenger の利用者がより多くの収益を得られるようになり、顧客ロイヤルティを高めています。
「Stripe を利用することで、購入完了しやすくなりました。サブスクリプション割引を提供できるようになったことも、売上増に役立っています」と、Hepworth 氏は言います。
国境を超えた事業拡大が身近に
最適化された決済プロダクトを利用すると、ボタンをクリックするだけで現地の決済手段を新たに追加できるため、Passenger はヨーロッパ内で新たな国に簡単に事業を拡大できます。
Hepworth 氏は次のように話しています。「ヨーロッパで事業を拡大する中で、銀行口座による決済手段など、さまざまな決済手段を提供することの重要性を認識しました。各国には独自のシステムがありますが、当社側で手間やコストをあまりかけずに、簡単に対応できることが重要です」
Stripe を選んだことは、Passanger にとって戦略的な決定でした。Stripe を利用すれば、もう支払いについて心配することはありません。