課題
Sendle にとって初の海外市場であるアメリカでの事業開始からわずか 2 カ月以内に、オーストラリアでは経験したことのない、高度でコストのかかる不正使用に直面するようになりました。
社内で不正使用に対応しようとしましたが、至る所で困難が生じました。不正行為者は自動や手動の方法で Sendle のプラットフォームに複数のアカウントを作成し、ブランドの再販売をしたり、盗んだカード情報を使用して輸送を発注していました。これらのアカウントは、複数の銀行の数百枚のクレジットカードやデビットカードで使い回され、チャージバックが生じました。Sendle は、社内で不正防止ツールを構築することは困難であり、不正使用に関する深い専門知識、さらに多大な時間とリソースへの投資が必要であると判断しました。
ソリューション
幸運なことに、Sendle は創業以来、Stripe と提携して決済処理に対応してきました。このため、スピーディーかつ簡単に Stripe の不正防止ツールを実装し、不正使用が同社に及ぼす財政面とリソース面への影響を最小限に抑えることができました。
Sendle は Stripe Radar for Teams を選択して、最初の重要な不正使用対策を導入し、不正行為者と正規の顧客を区別しています。Radar の機械学習によるスコア付けアルゴリズムで不正使用を検出し、ブロックします。Sendle はすでに Stripe Payments と連携していたため、最小限の実装を行うだけで、円滑かつ簡単に運用を開始することができました。
Stripe のチームは、Sendle の不正使用アナリストと密接に連携しながら、同社の特異なビジネスと不正使用の課題に合わせたワークフローを構築しました。その結果、Sendle は一連のカスタムルールを取り入れ、3DS のようなルール属性を活用してブロックと許可リストを設定することで、不正防止を微調整できるようになりました。
検証に関するルールの構築、3DS 要件、IP と地理位置情報のマッチング、カードの検証に焦点を当てることで、Sendle チームはカードに対して請求を行う前でも購入者の取引に関するリスクをより適切に把握することができます。さらに、IP、メールドメイン、カードのフィンガープリントに関するブロックリストを設定した結果、Sendle プラットフォームでの不正使用と悪用の発生が減少し、将来のチャージバックの防止につながっています。
Stripe の機械学習アルゴリズムと Sendle のカスタムルールを組み合わせることで、Sendle の不正防止対策は向上し、アメリカ拡大戦略を再び軌道に戻すことができました。
結果
Stripe Radar for Teams を導入してから、Sendle の ROI は 11 倍向上し、アメリカでの不正使用による損失は約 30% 減少しました。不正使用の防止レベルが向上したことにより、不正使用率を低く抑えながら、アメリカでの意欲的な成長戦略に集中できるようになりました。
実装から 1 年経たずに、Stripe Radar for Teams はSendle のアメリカでの事業に対する深刻な攻撃を防御し、同社独自の厳格な安全対策と、内部の不正防止チームの開発と拡大を補完しています。
現在では、Stripe Radar for Teams は Sendle のビジネス運営に不可欠な存在です。ブラックフライデーや休暇シーズンなど E-コマースビジネスの繁忙期でも、今のようにコロナ後のオンラインショッピングが全体的に増加した状況でも、Sendle は不正使用による財務上の損失を心配することなく、増加した荷物に対応しています。Radar と社内の不正対策モデルを組み合わせることで、Sendle は中小企業の利用者、パートナー、売り上げを事前に保護しています。
Stripe Radar for Teams は、当社の不正使用の抑制に大きな効果を発揮しています。これは実に難しいことです。不正行為者は不正手段を繰り返し使いながら進化させ、不正行為を巧妙にして脅威レベルを上げ続けているからです。こうした種類の攻撃を防げることは賞賛に値します。ビジネスの保護が可能になることで、当社はアメリカでの事業の成長と拡大を続けることができるのです。