Stripe 導入で 100 年企業のモリサワが内製開発力を強化
サブスクおよび財務管理の自動化に成功し、大幅な運用効率 UP を実現
インターネット向け経済インフラのプラットフォームを構築する Stripe は、国内トップシェアのフォントメーカーである株式会社モリサワが Stripe のサービスを採用したことにより、サブスクリプションサービス「Morisawa Fonts」開発時のリードタイムを 1/4 に短縮した上、導入後も財務管理の自動化に成功し、大幅な運用効率化をもたらしたことをお知らせします。
100 年企業が DX 化にテコ入れ!社内組織を変革し開発文化形成を実現
モリサワは、日本で No.1 シェアを誇るデジタルフォントメーカーです。約 100 年前となる 1924 年に創業のルーツとなる「邦文写真植字機」を発明してから DTP が隆盛する現在まで、出版・印刷業界やデザイナー達に広く愛され続けてきました。2005 年以来、フォントライセンス製品「MORISAWA PASSPORT」を提供してきましたが、2022 年 10 月、新たなクラウド型のフォントサブスクリプションサービスとして「Morisawa Fonts」をリリースしました。このサービスを利用すれば、1,500 以上の書体を、1 アカウントにつき 2 台までの PC で使うことができ、Web 上で手続きが完結できるようになります。
モリサワは「Morisawa Fonts」サービス開発の際、開発手順を 1 つずつ確認しながら進めていくウォーターフォール型の委託開発ではこの先複雑な取り組みをしていくことが困難だと考え、SaaS を極力活用しスピード感をもって開発を進めていける体制を構築するために、初期段階で開発文化を形成するところから着手しました。
モリサワ システム開発部門シニアテックマネージャーの小室 貴史氏は以下のように述べています。
「迅速に導入可能な決済プラットフォームとして Stripe には初期から注目しており、ぜひ利用したいと社内で掛け合って、採用に至りました」
開発者フレンドリーな Stripe ソリューションで開発リードタイムの大幅圧縮に挑戦
モリサワの Stripe への熱い注目は、これまでの開発体験で感じていた課題に由来しています。
「国内の決済会社の場合、モジュールが物理媒体での納品で、届くまで 2 週間かかることもありました。これではスピーディーな開発は不可能です。さらに、海外法人を設立した際の決済サービスも、ドキュメントが英語だけだったり、現地に行かなければ開発ができなかったりと、多くの苦労がありました。Stripe のソリューションは何もかもが開発者フレンドリーです。グローバルなサービスであり、API が公開されていて、サインアップするだけでテスト環境が使えて、分からないことは Stripe コミュニティで質問できて、API キーを差し替えるだけで本番環境に移行できます。開発のリードタイムには圧倒的な差がありました」と小室氏は説明しています。
モリサワのフォントは多くの場合法人が利用しており、日本企業は銀行振込へのニーズが強いため、銀行振込対応ができるようにしなければなりませんでした。そこで、銀行振込の実装については、Stripe が正式リリース前から機能を提供するなどのサポートを行ったことで迅速に開発を進めることができました。開発当時はベータ版だったため仕様変更などもあったものの、Stripe 技術者とモリサワ開発者が直接やり取りし、逐一挙動を確認したことで、通常 2 カ月かかると予想していたところ、2 週間で無事実装することができました。
開発リードタイム短縮化により顧客体験の改善への注力、運用負荷の削減に成功
実装後は、クーポン割引や数量割引といったさまざまな価格設定を簡単に実装することができる Stripe Billing により「Morisawa Fonts」のサブスクリプション管理を容易にしました。また、Stripe Elements によってクレジットカードの情報が透過的に利用されるため、モリサワが機密情報の管理に頭を悩ませることは無くなりました。そしてもちろん、24 時間 365 日、Stripe が起因となってシステムが停止することなく決済を利用する事ができています。
小室氏は以下のように述べています。
「Stripe のソリューションによって債権管理が非常に楽になったと、経理担当者に喜ばれています。いくら売れていて、いつ入金されるのか、従来は手作業で消し込みをしていましたが、Stripe はそれを自動化してくれました。『請求額より多く振り込まれた場合』『モリサワの別口座に入金された場合』などのイレギュラーケースにも素早く対応できるようになり、さらに、詳細なレポートも財務管理を助けてくれています。また、クレジットカードの入力画面も、デザインを柔軟にカスタマイズできる点が素晴らしいです」
Stripe はモリサワで初となる Web 開発内製化の試みに対し、開発リードタイムを劇的に短縮化し、顧客体験の改善により集中できるようになるなど、大いに貢献しました。さらに導入後は、経理部門の運用負荷を大きく削減しています。モリサワにはアメリカや台湾、韓国に現地法人があり、米ドルをはじめとした現地通貨での決済や国際ブランドのクレジットカードが利用できることも、今後のグローバル展開を見据えると大きなメリットとなっています。
小室氏は、「将来的に Morisawa Fonts をグローバル化していく際も、Stripe は重要な選択肢となるでしょう」と Stripe の今後に更なる期待を寄せています。